1234567TOTAL
葉桜00030014
南長津田ジュニアジャイアンツ031010×5
それはジャイアンツ杯決勝という最高の舞台だった。

ついにJG6年生の選手たちにとって最後の試合を迎える日がきた。

仲間とともに厳しい練習を続け、試合に負けて悔しい思いをしたり、時には泣いたり、勝って喜んで楽しい時も、そして歓喜の瞬間も・・・いつも一緒に過ごしてきた。いよいよ最終戦が始まる。

 

夏に53回横浜市大会を制したJGキッズだが緑区の秋季大会で初戦敗退し、POPアスリートカップ神奈川第2トーナメントでは決勝で戸塚アイアンボンドス、YBBL秋季大会では第1、第2代表決定戦に鷺竹クラブ、本宮ファイターズに連敗を喫してしまった。チームとしてのモチベーションが少し落ちていた時期も実際あった。しかしもう一度、JGの力を見せようと、練習で厳しい反復練習と実践練習を重ねてきた。そして気持ちの部分でも叱咤激励して、このジャイアンツ杯で自チームの名前にもなっているある意味「冠」大会で優勝しようと言い続け、ついにここまでやってきたのである。

 

まさに有終の美を飾るにはこれ以上の舞台はない。対戦相手は青葉区の強豪チーム「葉桜」さん。決して楽に勝たせてくれるような相手ではないということは分かっていた。

前の日の寒々しい天候とは打って変わって青空が広がる絶好の野球日和だった。JG大応援団が詰めかける中、試合は始まった。

主将のはまそうがジャンケンに勝ち、後攻を選ぶ。はまそうはジャンケンがめっぽう強い。これも大きかった。裏の攻撃を残して、JGの勝ちパターンである先制して逃げ切りに持っていけるからである。

先発は、これまでいくつもの修羅場を乗り越えてきた絶対的エースしょうた、初回を3人で抑える最高の立ち上がり、しかし葉桜の先頭打者はしょうたの速球にタイミングが合っていた。いいスイングをしている。そしてなによりベンチメンバーも含め声が出ていて一体感のあるいいチーム、野球を楽しんでいた。相手投手もコントロール、球威、緩急もある好投手だ。1回裏、えいすけ、はまそうの連続ヒットは2本とも逆方向レフトへの強い打撃、ずっと練習をしてきた。フリー打撃でもティー打ちでも意識していたバッティング。1死1,2塁のチャンスだったが4番あおそうの当たりがショート正面に、ダブルプレーでチャンスを逃した。2回裏、はやてがセンターへのクリーンヒットで出塁。ここ最近、フライアウトが多く少し不振だったはやてのヒットはフルカウントからコンパクトなスイング。本来の鋭いあたりだった。続くれいのあたりはピッチャーの後ろにフラフラっと上がり捕れなかった投手が落ち着いてセカンドに投げフォースアウト、ランナーがれいに入れ替わった。すぐさま盗塁、一死2塁でバッターはたけはる。ツーストライクと追い込まれたが、ここからがたけはるの成長だった。ジャストミートして3塁のグラブをはじきレフトに抜ける強襲ヒットでチャンスを広げる。たけはるはどちらかというと、流し打ちのイメージがあるが、力がついてきた証、強く引っ張ったいた最高のバッティングだった。そして、けいすけが、ここでいい仕事をする。3球目を絶妙なスクイズ、れいがホームイン、自らも1塁に生きた。すぐさま盗塁。バッターはりゅうのすけ、4球目にワイルドピッチ、たけはるがホームクロスプレーでセーフに、そのボールがカバーに入ったピッチャーのグラブをはじき3塁ベンチ側に転がっていく。そこを見逃さなかったりゅうのすけが声を出す、けいすけも躊躇なくホームへ。きわどいタイミングだったが、左手がホームベースの隅をタッチして「セーーフ!!」下位打線の足で3点を奪った。常々監督が言っていた積極的な走塁だった。3回裏にも現在打率チーム1のはまそうが本日2安打目となるライト前ヒットを放つと、一打席目に悔しい思いをした4番あおそうがレフトに火の出るようなあたりで1点を追加する。ここ数試合のあおそうの好調さを物語るようなあたりだった。夏場の頼りになる4番の仕事だった。

相手チームは投手交代、ショートの選手がピッチャーへ。

野球には流れがある。葉桜の勢いが増してくる。ジワジワと迫ってくる。4回には内野安打でランナーを許すと、高めに浮いた失投を相手5番打者にセンターたけはるの頭上を大きく超えるツーベースを打たれてしまう。四球で2、3塁のピンチが続く。8番バッターの当たりは強振するがサード前に勢いなくコロコロと転がる。れいが前進して一塁に送球するも間一髪セーフ、すると2塁ランナーがホームへ、あおそうもしっかりとバックホームにストライク送球、しかしスピードあるスライディングでうまくタッチをかいくぐり3点目が入ってしまう。4-3と1点差に!

その後もピンチは続く。いつ追いつかれてもおかしくない状況だった。しかしスクイズをさせず空振り、挟殺プレーでアウトを奪うなどなんとか耐え凌いだ。

5回裏にバッテリーエラーで1点を追加し5-3。

監督が動いた6回表から選手交代。ここ数試合で守備で堅実なプレーをしていたがくがサードへ。そして最終回、これまで粘投していたしょうたにも疲れが見え始めていた。先頭打者にレフト前ヒット、死球と無死1、2塁。野球は最後までなにが起こるか分からない。G✩Kはタイムのタイミングじゃないかなと思ったが監督は動かない。ここで葉桜は同点を狙って確実に送りバントを決めてくる。続くファーストゴロの間に、サードランナーがホームイン。1点差・・・

二死は取ったが同点のランナーは3塁に。緊張MAX、ベンチも応援団も必死に声をかける。なにより選手間で声を掛け合う。

 

試合後のミーティングで監督が選手に言っていたのだが、最終回になんでタイムを取らなかったかを「こういうピンチをこれまで何度も乗り越えてきたから、あそこは選手たちだけでなんとかできるチームになっている。だからここは選手たちに任せよう。だからマウンドにいかなかった」と。

選手と監督のあいだにあった信頼関係。それを聞いてゾクッと鳥肌がたった。

 

さあ、試合に戻ろう。

相手のバッターは3番バッター、2番手投手として出てきて流れをつくっている。ある意味キーとなる選手だった。

その2球目だった。代わったところにボールが飛ぶという野球のジンクスどおりサードがくのところへ・・・・・時間が一瞬止まったように感じたのは自分だけだろうか。

 

次の瞬間あおそうのミットに「バシッー!」という快音が響いた。「アウトー!!」

この場面はエラー、暴投したら同点という究極の緊張が伴うところ、がくの送球は練習の賜物、完璧な送球だった!

 

6年生の最後の試合は集大成だった。試合には出られなかったが、サポートとして声を出して応援して指示などをしてくれた、ふうや、しらしょう、そして今はお休みしているが夏の大会までセンター、ピッチャーとして活躍してくれたしゅうま。

メンバー13人全員の勝利、そして優勝だった。

 

最後の大会、試合で優勝という素晴らしい結果を出してくれた選手たちおめでとう。そして代表、監督、コーチ、OBコーチ、チーム審判員、保護者のみなさま、関係してくれたすべての方、本当にありがとうございました。

 

そして、これからが大事、最後の試合で優勝という最高の形で終わることができたのは、いろんな人たちの応援や指導があったからこそ、この経験を生かしてがんばれJGキッズ!!