この日を迎えると、わくわくする面と夏も終わるなぁという寂しい気持ちにもなる。今日は101回全国高校野球選手権大会の決勝である。「星稜」×「履正社」という令和時代の幕開けにふさわしい対戦となった。というのも、両チームともに優勝旗を手にしたことがなく初優勝を目指すということ、星稜は昨年の100回記念大会、平成最後の大会で済美に高校野球史上初のサヨナラ満塁本塁打で負けてしまう。ちょっと話は深くなるが、あの試合は初めてのタイブレークが適用された大会でもありタイブレークの戦い方はどこのチーㇺも想定しながらも、具体的な対策は練っていなかったと色んな記事にも紹介されていた。ただ、延長戦では圧倒的に裏が有利と言われている中で、無死1,2塁で始まるタイブレーク、裏のチームは2点までは最悪仕方ないと思うようだ。なぜならば同じように、2人の走者は無条件でもらえる訳で、そういう余裕はある。さらに、この試合の記事をあらためて読み返すと、面白いことが載っていた。済美は裏の攻撃でありながら追い詰められていたということ。それは、タイブレークに入る直前の12回裏済美の攻撃、一死満塁のチャンスで3ボール0ストライクの星稜から見たら絶体絶命のピンチを三振、二死満塁でも3ボール1ストライクから三振となんとかサヨナラ負けのピンチを乗り切ったのである。済美サイドとしては嫌なムードでタイブレークの星稜の攻撃を迎えなければならなかったのである。ところが、ここで予想外の展開が・・・今年もそうだが、暑さが厳しく2時間半を超える長い試合だったために、通常5回を終えた時に行われるグラウンド整備と給水があり「間」があいたのだった。これで、究極のピンチを抑えていいムードになっている星稜と追い込まれた感が芽生えてしまった済美に考える「間」ができたのだという。これが結果的に両チームの明暗を分けることになる。どのスポーツでもあることだとは思うが、この運命のイタズラとも言える一瞬の「間」というものが、甲子園にかけてきた球児たちを翻弄する。そしてその敗戦をした星稜がこの春に奥川くんを擁し、決勝の相手である履正社に対し3安打17奪三振で完封勝利、履正社にとっては完膚なきまでに抑えられたリベンジを果たすために、ここまでがんばってきたのであろう。この夏はどんな「間」が球児を襲うのか。

とにかく、高校野球ファンとしては、両チーム悔いのないような試合をしてほしいと願うばかりだ。